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はい拾い物

ネット動画番組でこの場面を見ていた筆者は、「厚労省の職員の接種率なんか10%」というのを聞いて、最初は、何かの勘違いか、言い間違いではないかと思った。

しかし、どうやらそうではないらしいのだ。同席していた京都大学の福島雅典名誉教授が厚労省側に問いただした。

「いま仰った話に愕然とした。厚労省の職員の接種率は10%なのか。厚労省、国会議員、行政の関係者の接種率をしっかり提示してください」

厚労省健康局の予防接種担当参事官は、厚労省の接種率について、こう答えた。

「本日、そういったデータのほうは持ち合わせておりませんので…」

それに対し、福島名誉教授は「それが確認できんというのは組織的怠慢じゃないの。そんなものすぐ出せるはずだ」と憤った。

福島氏は、科学に基づく医療、患者の権利の保護をめざし、日本にインフォームド・コンセント(十分な説明に基づく同意)を根付かせた先駆者だ。医療の「病根」に挑んできたベテラン医師ならではの迫力が激しい口調から伝わってくる。

官僚が「データを持ち合わせていない」というのは、たいがい正直に言うと都合が悪い時だ。ワクチン担当者が自分の役所の接種率を把握していないはずがないではないか。かりに「10%」がかけ離れた数字であるなら、即座に否定するはずである。筆者は、このやり取りを見て、「10%」が事実に近い数字なのだろうと確信した。