入院患者への暴行の疑いで看護師が逮捕された東京 八王子市の精神科の病院をめぐり、埼玉県所沢市の男性が、
法律で必要な家族の同意なく強制的に入院させられた疑いがあるとして、手続きをした所沢市の職員などを刑事告訴しました。

東京 八王子市にある精神科の病院「滝山病院」は、看護師ら4人が患者に暴行を加えた疑いがあるとして、警視庁の捜索を受け、
このうち1人が暴行の疑いで逮捕されています。

この病院の患者を支援している弁護士によりますと、埼玉県所沢市の50代の男性が、統合失調症の悪化などにより、
2018年に医療保護入院となった際、本来必要な家族の同意なく、強制的に入院させられた疑いがあるということです。

医療保護入院の際は家族の同意が法律で義務づけられていて、連絡の取れる家族がいない場合は、市町村長の同意で可能となります。

男性のケースでは、男性の姉と連絡が取れる状態だったのに、手続きを行った市の職員が「音信不通」などと、虚偽の書類を
作成した疑いがあるとしています。

男性と姉が退院を希望しても認められず、3年8か月の間、退院できなかったということで、男性は、手続きに関わった市の職員2人と
滝山病院の担当者を監禁の疑いで刑事告訴したほか、この職員2人を虚偽公文書作成などの疑いで告発しました。

警察は今後、内容を精査したうえで対応を検討していくとしています。

所沢市は「まだ告訴状を受け取っていないため、まずは確認したい。もし捜査になれば全面的に協力したい」と話しています。

滝山病院は「警察や自治体などから照会があれば必要な情報を提供して参ります。現段階でメディアなどを通じて
情報を発信する予定はありません」とコメントしています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230303/k10013997781000.html