食事と一緒 バランス大事…鳥海不二夫氏 46 東京大教授(計算社会科学)

 情報空間で起きる問題の根底には、人間が先天的に持つ 脆弱ぜいじゃく 性がある。

 コロナ禍では、ワクチンを巡る真偽不明の情報が数多く流布された。不確かな情報をどういう人たちが得ているか分析したところ、もともとワクチン自体に反対している人々や、左派の一部の人たち、陰謀論的な発信をする人々が多かった。一方で、ワクチン推進派は、保守系の人たちが多数みられた。

 人は情報が正しいか、正しくないかという点を、自身の主義主張と整合性があるかによって判断しがちだ。例えば「良い政府が推奨するワクチンは、良いもの」「悪い政府が推奨するワクチンは、悪いもの」という情報は受け入れられやすい。

 逆に「良い政府が推奨するワクチンだが、悪いもの」「悪い政府が推奨するワクチンだが、良いもの」という説明を受け入れるのは難しい。

 このような心理状態は、「認知的均衡理論」によって説明される。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20230203-OYT1T50300/