曙ブレーキが投入、「CO2半減ブレーキパッド」の仕組み
2023年01月25日 日刊工業新聞

曙ブレーキ工業は、製造工程での二酸化炭素(CO2)排出量を従来比で半分に抑えるブレーキパットを、今夏にアフターマーケット向けに投入する。
環境対応に加え、電気自動車(EV)対応やブレーキ摩耗粉の削減など性能面でも訴求する。
アフターマーケットでの実績を積み上げながら、サプライチェーン(供給網)全体での脱炭素化に貢献できる点を完成車メーカー向けにも提案。新車への採用を目指す。

新材料や新工法の採用でCO2を多く排出する加熱工程をなくしたほか、製造工程の順序の入れ替えや統合で省エネルギーにつなげた。
新工法は作業効率が良く、生産リードタイムも従来比で半減できる。製造時に生じる粉じん・臭気を減らせ、従業員の負担も軽減する。

車両重量が増加するEVへの搭載も想定した材料設計とした。車両重量が増えるに伴いブレーキにかかる負担が大きくなるので、熱劣化などしないよう性能を高めた。
また欧州の規制に対応し、ブレーキ使用時に発生する摩耗粉も減らす。既存材より性能を向上し、アフターマーケットでの需要を喚起する。

自動車業界では、車の製造から廃棄までライフサイクル全体でカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現を目指す動きが加速。
同社は環境対応や、アフターマーケットでの市場実績をもとに「2―3年後の完成車メーカーへの採用を目指す」としている。

https://newswitch.jp/p/35531
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>欧州の規制に対応しブレーキ使用時に発生する摩耗粉も減らす
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