大阪大学レーザー科学研究所が、「害虫をレーザーで撃墜する新技術」を発表しました。農薬の効かない虫も駆除できることから、農作物被害の軽減が期待されます。

 研究チームが駆除対象としたのは、農薬などの薬剤に抵抗性を持ち、農作物に甚大な被害をもたらすガの一種「ハスモンヨトウ」。レーザーによる害虫駆除については、以前から米国で蚊の対策に用いる技術が知られていましたが、ハスモンヨトウは体長が15~20ミリと比較的大きく、レーザーを全体的に照射するには大きなエネルギーが必要となる点が課題となりました。

 そこで、ハスモンヨトウの各部位にレーザーを照射してそれぞれの損傷度合いを調べた結果、胸部や顔のダメージが大きいことが判明しました。この“急所”を狙撃すれば、比較的少ないエネルギーで虫を駆除できることになります。

 これをもとに、研究者はカメラと半導体レーザー装置を用いた実験を実施。秒速2メートルで飛行するハスモンヨトウを画像検出して追尾し、レーザーでの撃墜に成功しました。この手法は近年猛威を振るうサバクトビバッタにも通用するとのことです。

 同学は研究成果について、「食糧増産に大きく貢献する新技術として期待される」とコメント。「家庭ではゴキブリやハエなどを薬剤を使わずに駆除できる」との記述もあり、ネットでは「家庭用はよこい」と期待する声が寄せられています。

https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2301/23/news146.html