トレーディングデスクからウォール街のアナリストまで、今年のアジア株を巡りポジティブな見方が強まりつつある。
利益見通しとバリュエーション、資金フローの全てが上向いている。

  昨年10月末以来、MSCIアジア太平洋指数は約23%上昇。
S&P500種株価指数に対するアウトパフォーマンスは1993年以来の大きさとなり、ユーロ・ストックス50指数も上回った。
主な原動力は中国の経済再開で、投資家がリセッション(景気後退)に強い市場を求める中、ドル下落がさらなる追い風となった。

  MSCIアジア太平洋指数は1月に入り7.2%上昇しており、今年は2012年以降で最高の滑り出しとなりそうだ。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)のファンドマネジャー調査によると、上昇局面は今後何カ月も続く見込み。
中国の成長見通しは急速に上方修正され、企業利益も増えている。欧米で下方修正が相次いでいるのとは対照的だ。

  グローバルCIOオフィスのゲーリー・ドゥーガン最高経営責任者(CEO)は、
先進国でリセッションが懸念される中、「中国当局が国内の経済成長を支援する見通しから、世界の投資家にとって中国とアジア両方の資産の魅力が高まっている。
当社はアジアの比重を増やしており、何カ月にもわたって見返りが得られると予想している」と述べた。

好調なアジア市場で最も脚光を浴びているのは中国で、MSCI中国指数は昨年10月末以来50%余り上昇している。
しかし楽観的観測が他の市場にも波及しつつあり、フィリピンとベトナムの株価指標は今月、強気相場入りし、台湾株も節目に近づいている。

  BofAのファンドマネジャー調査によると、投資家の95%がアジア太平洋地域(日本を除く)の株式相場は向こう1年にわたり上昇すると予想。
その約半数が2桁台の上げを見込んでいる。また、ファンドマネジャーの大半が「中国について臆せず強気」だという。

アジア株巡る強気観測高まる、年初来の好調で-中国の経済再開が寄与
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-22/ROWO2ST0AFB401