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ドルゲ事件
放送開始から4ヶ月が過ぎた1972年8月25日、朝日新聞社が「『”魔人ドルゲ”は僕じゃない』『友だちがいじめる』『同姓の坊や 仮処分申請』『偶然の一致、変更ムリ』」などの見出しで、「神戸市に在住していたドルゲ姓の音楽大学教授のドイツ人が、魔人ドルゲがもとで息子がいじめられると放送局に抗議し、名称使用差し止めの仮処分申請をした」と報道し、社会問題となった。1972年9月26日には「『悪玉ドルゲ、童心に降参』『11月で姿消します』『読売テレビが和解 君の言い分通る』『生き生きとした顔で学校へ』」などの見出しで、弁護士を通じ和解が成立したと報道した[10]。
よみうりテレビの佐野寿七プロデューサーは報道や噂の一部を否定している。まず、裁判にはなっていない。仮処分は訴訟と異なり、短時間で結論が出ることが多い[11]。東映に「この事件は番組の音頭を取っている僕の責任だから平山さんには言わないでくれ」と止めていたせいで、関係者に裁判になったと誤解を招いたという[12]。日本では規定されていないが、ドイツ民法では「名前を他人に使用させず占有できる権利」である氏名権を定めており、同様の訴訟がたびたびあることも誤解の一因と思われる。
次に、いじめは起きていない。「ドルゲという名前のせいで子供がえらくいじめられてる」という報道は誤りで、「いじめられる可能性がある」というクレームであり、金銭を支払うなどの不正行為も一切しておらず、報道の一部に誇張があったとしている。佐野は「最初は番組のプロデューサーである僕のところへも取材に来ませんでしたからね。騒ぎになって大分経ってから連絡がきたもんですから、『なぜ公平な取材をしないのか!』って、その時はこちらからクレームを付けました。かなり激しく(笑)」「記事にする前に局の製作者である僕のところに来て、事態を詳しく聞いてくれたら、今ここで語り草にされるほどの(笑)社会的な事件にはならなかったかもしれません」と述べている[12]。