日本企業 生産拠点“国内回帰”の動き相次ぐ めんたいこ老舗も

円安や海外の人件費高騰に伴い日本企業の間で相次ぐ“国内回帰”の動きです。
博多名物のめんたいこを製造・販売する福岡の老舗企業が、およそ40年にわたってアジアで行ってきた生産の一部の工程を、国内に移管することを決め、生産拠点を国内に戻す動きは、食品関連も含め、幅広い業種に広がっています。

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日本企業の間では、円安などに伴う海外での製造コストの上昇やコロナ禍でのサプライチェーンの混乱を受けて、生産拠点を国内に戻す“国内回帰”の動きが相次いでいます。

このうち、産業用ロボット大手の「安川電機」は、空調機器などの部品の供給が滞るリスクを避けるため、福岡県内に新たな工場を建設し、国産の比率を現在の倍に引き上げる方針です。

また、音響機器メーカーの「JVCケンウッド」は、インドネシアで製造していた国内向けのカーナビの生産を、ことしから長野県の工場に移しています。

生活用品メーカーの「アイリスオーヤマ」も、中国で生産しているおよそ50種類の製品について、国内の工場に生産を移すことを決めました。

さらに、アパレルメーカーの「ワールド」は、アジアなどでの人件費の高騰や物流コストの上昇を受けて、デパート向けの高価格帯の商品の生産を国内の工場に切り替えることにしています。

こうした動きを後押ししようと、経済産業省もサプライチェーンの強じん化のために、国内に生産拠点を整備する企業を補助金で支援しています。

コロナ禍でのサプライチェーンの混乱や、円安などに伴う海外での製造コストの上昇、それに経済安全保障の問題など、さまざまな課題に直面する中で、日本企業の間で生産拠点やサプライチェーンを見直す動きが相次いでいます。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221204/k10013912691000.html