OMOTENASHIの状態であるが、今まで電波を受信できていないことから、最初に発見したときの姿勢から大きく変わっておらず、依然として太陽電池に光が当たらず、電源が落ちたままである可能性が高いと考えられている。
OMOTENASHIは月を通過し、現在は太陽を公転する軌道に入っている。探査機はスピン安定の状態のため、回転軸の向きはこのまま維持されるが、公転すると太陽の方向が変わってくるため、いずれ、太陽電池に光が当たり始める。
詳細に解析したところ、探査機の向きは太陽の真逆ではなく、45°~50°くらいズレていたという。
どちら側に傾いていたかは不明で、それによって時期は変わってくるものの、JAXAによれば、2023年3月ごろから太陽光が当たり始める可能性があるとのこと。
光さえ当たれば充電できるので、再起動するはずだ。 同年7月には、最も太陽を向くと考えられ、このころまでには、探査機が復活するものと期待される。
OMOTENASHIは今後、どんどん地球から遠ざかるものの、夏ごろまでは通信が届く見込み。今回の着陸断念でOMOTENASHIの運用はしばらく中断するが、復旧次第、各種実験を行う予定だ。
その1つは、固体ロケットモーターの点火実験だ。
これはDV2用の装置であり、点火してももう着陸はできないのだが、日本では初めてレーザー着火方式を採用しており、その軌道上実証には大きな意味がある。
関係各所との調整の上、問題が起きないよう、地球から十分遠いところで実施する方針だ。
半年以上に渡る運用は想定外のため、各機器がそれまで正常に動作するかは不安要因なものの、そのほか、地球磁気圏外の放射線計測や、薄膜太陽電池の発生電力確認なども行うことを検討している。
超小型探査機「OMOTENASHI」は月面着陸を断念、夏までには復旧する可能性も
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