【ワシントン=大内清】バイデン米政権の行方を占う中間選挙は8日朝(日本時間同日夜)、東部各州から投票が始まる。
有権者のインフレへの不満から与党・民主党に逆風が吹き、野党・共和党が下院で多数派を握る勢いで、
上院でも過半数を獲得するかが焦点となる。8日夜から開票され、大勢判明は同日深夜(同9日午後)以降の見通し。
激戦区の東部ペンシルベニア州などでは開票に数日を要するとされ、確定がずれ込む可能性もある。

バイデン大統領は7日、東部メリーランド州で演説し、2020年の大統領選で「不正があった」と主張するトランプ前大統領が
強い影響力を持つ共和党に勝利を許せば、「民主制度が危うくなる」と語った。

バイデン氏と民主党は、米国のあり方を選ぶ選挙だと位置づけ、人工妊娠中絶の権利などを守る戦いだと訴えてきた。
対する共和党は、バイデン政権の失政が物価高を招いたと批判し、不法移民や犯罪の対策強化などを主張している。

米統計分析サイト「ファイブサーティーエイト(538)」は8日時点で、共和党が下院で勝利する確率を84%、
上院では59%と予測した。

共和党は下院を奪還した場合、バイデン氏の次男ハンター氏をめぐる不正な税務処理などの疑惑追及を強める方針。
人事承認などの権限を持つ上院も共和党が確保すれば、バイデン政権は任期2年を残し、レームダック(死に体)化する恐れがある。

https://www.sankei.com/article/20221108-5FW6OGHMNJLWXFLIW5CKBEFCOM/