ペトリ皿の上で人間の脳細胞を約80万個にまで培養した「DishBrain」に、科学者が原始的なゲーム『Pong』をプレイさせることに成功したと、査読付き科学ジャーナルNeuron00806-6)に発表しました。

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この研究を率いた研究者Brett Kagan博士は、「外部から情報を得て、それを処理し、リアルタイムで反応を返すことができる」と語っています。

話だけを聞いていれば、なんだか皿の上の小さな脳細胞の塊に自我があって、何らかの方法でコントローラーを操作してゲームをプレイしたかのうような話にもきこえます。しかし、いくら人の脳細胞とはいえ、目もなければ耳もない脳細胞のかけらがそのような高度な反応を示せるはずもありません。

では具体的にどういう仕組みで脳細胞がPongをプレイしているのでしょうか。研究者は、多数の電極を敷き詰めたシートの上に脳細胞を乗せ、ゲームのプレイ情報を電気パルスの刺激として脳細胞に与えたとのことです。脳細胞と電極シートの接する範囲を分け、ある範囲はゲームで画面を動くボールの位置を電極からの情報として与え、別のある範囲にはパドルを動かすための領域を割り当てました。こうすることで、脳細胞はボールとパドルの位置関係を知ることが可能になりました。

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