イラン司法当局は17日、首都テヘラン北部にあるエビン刑務所(Evin Prison)で15日夜に発生した火災で、受刑者8人が死亡したと明らかにした。
当局は出火原因は「受刑者の暴動と衝突」だと非難しているが、人権団体はこの公式発表に信頼性はほとんどないと指摘している。
司法当局の公式ニュースサイト「ミザン・オンライン(Mizan Online)」によると、病院で治療を受けていた4人が死亡し、死者は合わせて8人になった。
同サイトは当初、煙を吸った受刑者4人が死亡、61人が負傷、4人が重体と伝えていた。
エビン刑務所は、政治犯への虐待が横行しているとして悪名が高い。当局に拘束された外国人も多く収容されている。
最近の抗議デモに関連した弾圧で拘束された数百人も、同刑務所に収容されたとみられる。
収容者の親族や人権団体は、当局が刑務所内で催涙ガスを使用したとし、強い懸念を示した。
ソーシャルメディアに投稿された火災の動画には、銃声や爆発音も記録されていた。
イランでは、服装規定などを取り締まる「道徳警察」に逮捕されたクルド系女性マフサ・アミニ(Mahsa Amini)さん(22)が拘束下で死亡したことに対する抗議行動が、反体制運動に発展。
1か月にわたりデモが続き、緊張感が高まっている。
国営イラン通信(IRNA)は、刑務所での衝突は「国内における最近の騒乱とは無関係」だとするテヘランの検察官の話を伝えた。
一方、ノルウェーに拠点を置く人権団体イラン・ヒューマン・ライツ(IHR)は、看守が受刑者や収容者を「扇動」しようとしたとの報告を複数受けているとし、「イラン当局の説明は認められない」と述べた。
イラン刑務所火災、8人死亡 看守が「扇動」の情報も
https://www.afpbb.com/articles/-/3429282