半導体メモリ価格の値下がりが止まらない。
半導体メモリの主力製品であるDRAMとNANDフラッシュメモリの平均販売価格は、昨年(2021年)の上昇基調から今年(2022年)は一転して下降気味の基調へと転じた。
今年の夏以降は、価格低下が一段と強まりつつある。

 ハイテク市場調査会社であるTrendForceが定期的に発表してきたDRAMとNANDフラッシュメモリの価格予測(前四半期との比較値)によると、
昨年にDRAM価格は第1四半期から第3四半期まで3期連続で上昇した。
上昇幅は3四半期で1.32倍(32%増)である。

 しかし第4四半期以降は、4四半期連続で下がり続けている。
今年第3四半期の価格は昨年第3四半期と比べ、0.73倍に低下した。続く第4四半期も15%前後のかなり大きな値下がりをTrendForceは予測している。
ここ2年ほどでは最大の下げ幅だ。予測通りだと、昨年第3四半期と比べて価格は0.62倍に下がる。
言い換えると1年と3カ月で38%の値下がりとなる。

DRAMとNANDフラッシュメモリに共通しているのは、極端な値崩れが2022年7月から始まっていることだ。

2022年第3四半期(7月~9月期)にはDRAM価格が前四半期比12.5%減、NANDフラッシュ価格が同15%減といずれも2桁と大きな値下がりとなった。
続く同年第4四半期(10月~12月期)は、DRAMが同15.0%減、NANDフラッシュが同17.5%減と値下がりがさらに酷くなるとTrendForceは2022年9月下旬に予測した。

DRAMとNANDフラッシュの急激な値下がりにより、半導体メモリ大手の業績悪化は避けられない状態になってきた。
半導体メモリ業界で注目されるのは、DRAM大手とNANDフラッシュ大手を兼ねるMicron Technology(以下Micron)の四半期業績である。
同社は8月を決算月とする変則的な会計年度を採用しており、四半期決算の期末がほかの大手メーカーよりも約1カ月早い。
このため、半導体メモリ業界では、Micronの四半期決算が景気動向の先行指標となっている。

 そのMicronは2022年6月30日に四半期(2022会計年度第3四半期、2022年3月~5月期)業績を発表した中で、
次期(2022会計年度第4四半期、2022年6月~8月期)の業績がかなり悪化するとの見通し(ガイダンス)を示していた。

急落する半導体メモリ価格
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/semicon/1444941.html