現在のプロバイダー責任制限法では、被害者はSNSやウェブサイトの運営事業者から発信者のIPアドレス(ネット上の住所)の開示を受け、さらにプロバイダーに対して氏名や住所の請求を行うため、通常、2回の裁判手続きが必要だ。特定するまで1年近くかかることもあった。

 だが、ネット上での中傷に関する被害相談の増加や、20年に女子プロレスラーの木村花さん(当時22歳)が自殺した問題を受け、制度見直しの議論が加速。同法が改正され、10月1日以降、開示請求は1回で済むようになる。

 海外IT企業の日本での登記も進んでいることから、加害者特定の手続きが国内で完結するケースも増えるとみられる。

 ネットトラブルの法的問題に詳しい清水陽平弁護士は「特定までの期間が2、3か月早まることが予想される。時間がかかるという理由で手続きをあきらめていた被害者も多く、被害救済につながる」と指摘する。

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