恩納村で沖縄県産ブランドシイタケを栽培している「沖縄しいたけ田中」(田中未一郎社長)が、宮崎県産を沖縄県産と偽って販売している疑いがあることが22日までに、沖縄タイムスの取材で分かった。産地を偽って販売していた場合、不正競争防止法や景品表示法に違反する可能性がある。(社会部・矢野悠希、編集局付・豊島鉄博)
同社は表向き、宮崎県の山地から送られた菌床を使って恩納村で栽培していると宣伝。中でもブランドシイタケ「王美凛茸(おうびりんたけ)」は、通常のシイタケより肉厚で大きいのが特徴で、恩納村のふるさと納税返礼品になるなど、人気商品だった。
しかし関係者によると、同社が沖縄県産とうたって販売しているシイタケは、約9割が宮崎県で収穫され、送られてきたシイタケだった。従業員がそのままパックに詰めて販売するなどしていたという
本紙が入手した内部資料によると、偽装の疑いがあるシイタケは県内のスーパーや道の駅向けに、1週間に約1500袋出荷されていた。価格は最も高い物で約1800円、安い物で約240円だった。
このほか、乾燥シイタケやシイタケを粉末状にしたスパイス調味料なども沖縄県産シイタケ使用とうたいながら、実際には宮崎県産の乾燥シイタケを使用していた疑いがある。これらの不正は少なくとも1年半以上前から続いていたという。同社の田中社長は本紙の電話取材に「動揺している」と話し、具体的に回答しなかった。
同社のウェブサイトなどによると、田中社長は1914年創業の宮崎県のシイタケ生産会社で代表を務め、2018年に恩納村に同社を設立した。
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1029748