中国は人口統計の数値を捏造していると指摘されており、異議を唱える者は取り締まりの対象となってきた。そのため同国が「公式」としている人口に関しては、さまざまな議論がある。
そんななか、中国の公安当局が管理する10億人分の個人情報が流出した可能性があると7月に報じられた。氏名や住所、犯罪歴、病歴記録までが含まれており、史上最大規模の情報流出とされている。

著名な人口学者である易富賢によれば、この事件によって漏洩した情報が中国の「数値捏造」を裏付けているという。

人口減少を頑なに認めない
中国政府公認の人口統計数値が意図的にかさ増しされていることなど、誰もが知っていることだ。にもかかわらず、当局はこれらのデータに疑義を呈する者たちを次々と弾圧している。

たとえば拙著『大國空巣』は、2007年の出版直後に発禁となった。同書が中国の一人っ子政策への懸念を表明し、人口の減少が始まるのが、中国当局と国連が「世界人口予測2006」で推定した2033~34年頃ではなく、2017年であると予測したからである。

そして2019年、中国の人口が2014年時点でインドに追いつかれており、2018年時点ですでに減少に転じていると私は主張した(二人っ子政策導入の影響で、最初の予測年よりも1年遅れている)。

https://news.yahoo.co.jp/articles/27d6abae56ae3b81082da926a89c2abbab162128