英国のエリザベス女王が8日、死去した。96歳だった。大英帝国の終わりや欧州連合(EU)からの離脱など激動期の英国を生き、君主を70年以上務めた。約千年の歴史を誇る王室の近代化にも努め、勤勉で気品ある君主として国民に深く慕われた。次の国王には、長男で王位継承順位1位のチャールズ皇太子(73)がついた。

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 英王室は8日、「女王が本日午後、バルモラル城で安らかに亡くなりました」と発表した。バルモラル城は北部スコットランドにある女王の静養先。

 女王は6日、バルモラル城でトラス首相と面会。前日に保守党党首に選出されたトラス氏を新首相に任命したばかりだった。女王は通常、ロンドンのバッキンガム宮殿で新首相を任命するが、女王の歩行が困難になっているため、同城で実施された。

 7日に予定されていた公務は「医師の助言」に基づいてキャンセルされていた。

 女王は今年2月6日、英国の君主として初めて在位70年を迎えた。高齢ながら公務にあたる女王は多くの国民に慕われ、6月には即位70周年を祝う祝賀行事「プラチナ・ジュビリー」が行われた。女王は声明で「みなさんの善意に鼓舞され続けている。私たちが自信と情熱を持って未来を見つめる中、この数日間が、過去70年間に達成してきたことを振り返る機会となるよう期待している」と述べていた。

 女王は1926年、のちにジョージ6世となるヨーク公とエリザベス妃の長女として、ロンドンで生まれた。36年、伯父エドワード8世が離婚歴のある米国人女性との結婚を望み、即位から1年足らずで退位。急きょヨーク公が国王になったことで、10歳で「次の国王」になることが運命づけられた。47年、13歳の時の初恋の相手といわれるギリシャの王子、フィリップ殿下と結婚。長男チャールズ皇太子ら3男1女をもうけた。

 52年2月6日、父の急逝を受け、25歳で即位した。戴冠(たいかん)式は翌53年6月2日に行われた。以来、日本をはじめ130カ国以上を公式訪問。香港返還の合意がまとまった後の86年には、英元首として初めて中国を訪問。11年5月には、アイルランドで独立闘争の戦死者らを追悼し、かつて対立した国や旧植民地との和解に貢献した。英国国教会の長として、信仰の守護者の役割も果たした。


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