<社説>原発処理水の海洋放出 保管・分離技術の確立を

 原子力規制委員会は東京電力福島第1原発のトリチウム汚染水の海洋放出計画を認可した。
 安全性に問題はないというのが理由だが、果たしてそうなのか。疑問は尽きない。海に流してしまうということには地域、漁業者らに加えて国際社会にも批判がある。

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 トリチウムは放射性物質である。トリチウムが残る限り「汚染水」である。トリチウム汚染水を保管するタンクが来秋には満杯になることから、政府は昨年4月、トリチウムの濃度を国の基準値の40分の1未満にして海に放出する方針を決定した。
 いくらトリチウムの濃度を下げるといっても、これを海洋に出すことの影響はどうなのか。

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1556105.html


参考
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/osensuitaisaku02.html
トリチウムってどうやってできるの?~自然界にもたくさん存在
トリチウムは、宇宙空間から地球へ常に降りそそいでいる「宇宙線」と呼ばれる放射線と、地球上の大気がまじわることで、自然に発生します。そのため、酸素と結びついた「トリチウム水」のかたちで川や海などに存在しています。
雨水や水道水、大気中の水蒸気にも含まれており、富士山周辺における地下水の年代測定にも活用されています。
また、人の体内の水分量と、日本の水道水や大気中に存在するトリチウムの量から試算すると、水道水などを通じてトリチウムを摂取することで、人体内にも数10ベクレルほどのトリチウムが存在していると言えます。
自然界では、1年あたり約7京ベクレル(Bq、放射性物質の量をあらわす単位)のトリチウムが生成されており、自然界に存在するトリチウムの量は、約100~130京ベクレルと見られています。
一方、トリチウムは、人工的に生成されることもあります。まず、1945年~1963年におこなわれていた核実験で放出されたトリチウムがあります。また、国内外にある原子力施設(原子力発電所や再処理施設)でも、核分裂などを通じてトリチウムが生成されています。
なお、原子力施設由来のトリチウムは、各国が、それぞれの国の規制に基づいて管理されたかたちで、海洋や大気などに排出しています。