国内の中古車価格が高騰している。新型コロナウイルス禍の半導体不足などにより国内自動車メーカーが軒並み減産した影響で新車の納車が遅れ、購入希望者が中古車市場へと流れたためだ。円安で海外からの購入意欲も高まり、拍車をかけている。

「ここまで高くなっているとは」。滋賀県に住む40歳代のパート従業員女性は、8月中旬に車検切れとなるミニバンの買い替えをディーラーに相談したところ、中古車を勧められた。新車の納車まで最短でも3か月かかることが理由だった。だが、提案された同タイプの中古車価格は約540万円。新車価格より100万円も高く、女性は車検を更新し、乗り続けることにした。

コロナ禍で工場稼働が停滞するなどして生産が落ち込んだ半導体は、各メーカーの世界的な争奪戦となっている。自動車の国内主要8社の2021年世界生産台数は、コロナ禍前の19年と比べて15・3%減の2355万台。トヨタのスポーツ用多目的車(SUV)「ランドクルーザー」など、注文が生産能力を大幅に上回って新規受け付けを中止した車種も出ている。

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220727-OYT1T50153/