90代女性を車に一夜放置 デイサービス送迎車の運転手「自宅に送った」と思い込み施錠 兵庫

 兵庫県高砂市内のデイサービス事業所で7日夕から翌朝にかけ、利用者の90代女性が送迎用のワゴン車内に閉じ込められた。運転手が「自宅に送り届けた」と思い込んで車を施錠したのが原因で、発見時に女性には脱水症状があったが、その後回復した。7日昼は晴れており、同市消防本部によると、閉じ込められていた時間帯の市内の最高気温は30・5度だった。

 女性は歩行時の支えなどが必要で、認知症の症状がある。7日はサービスを受けた後、ほかの利用者と共にワゴン車に乗った。運転手は、最後に降ろす予定だった女性がいることに気づかぬまま施設に戻り、車を施錠した。女性は運転席の後ろ3列目の窓側に座っており、運転手からは見えにくい場所だったという。

 帰宅しないことを不審に思った家族が7日夜に高砂署に相談。署員から電話で問い合わせを受けた運転手は、「自宅に送り届けた」と答えていた。

 8日午前6時50分ごろ、出勤した運転手が車内に座っている女性を発見。女性は病院に救急車で搬送された。点滴を受けたが、検査結果に異常はなく、迎えに来た家族と午前10時半に車で自宅に戻った。

 施設側は家族に謝罪し、女性は現在も通っている。施設責任者は「過信、慢心があった」とし、その後は確認を徹底するマニュアルを作って実行しているという。報告を受けた県は、県内のデイサービス事業所などに注意喚起を促す。

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