「症状」と題した書面渡し自殺社員を侮辱 パワハラ訴訟の勤務先、「表彰の一環」と説明
2022/06/21 18:22

青森県八戸市の住宅会社「ハシモトホーム」が、青森市の40代の男性社員=2018年に自殺=に、賞状を模し侮辱する内容の書面を渡していたことが、遺族側への取材で分かった。遺族は20日、パワハラや長時間労働が自殺につながったとして、会社などに約8000万円の損害賠償を求め、青森地裁に提訴した。会社側は「表彰の一環」と説明している。

原告側によると、関係会社も参加した18年1月の新年会で、男性は課長が作った「症状」と題した書面を渡された。文面には「今まで大した成績を残さず、あーあって感じ」「陰で努力し、あまり頑張ってない様に見えてやはり頑張ってない」「一発屋にならない様に日々努力して下さい」などと書かれていた。上司から「おまえはバカ」とのショートメッセージを受け取るなどした男性は翌2月、重度のうつ病を発症し自殺した。

ハシモトホームの橋本吉徳社長は、書面を渡したことを認めた上で「毎年の懇親会で、表彰の一環として渡していたもの。行き過ぎた表現だったかもしれないが、他の人にも渡していたので、亡くなった男性の不調の原因になったか疑問に思う」と説明した。

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新年会で男性に渡された賞状を模した書面。翌月、男性は自殺した(画像の一部を加工しています)

https://www.sanspo.com/article/20220621-YXLKOMALUZO5BN5EPKXM4X72EU/


「細菌」「頑張ってない様ですが」死後、男性の部屋から見つかる

 「立ち直れないほどの悲しみは今でも続いている」。夫の自殺を巡り、住宅建築業ハシモトホームに損害賠償請求訴訟を起こした遺族の妻は20日、弁護士を通じてコメントを発表した。

 弁護士によると、パワハラは少なくとも半年以上続いていたとみられる。「なんぼ頭わりのや」「相変わらずダメポンだな!」といったメールが複数回、送信された。

 苦悩する姿を見た妻は何度も退職を促したが、夫は「家が完成して、お客さんに鍵を渡す時が一番うれしいから続けたい」と気丈に振る舞った。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6385fdce2ddfbc5f390f871a560b0dfb70795d65