ロシア軍東部軍管区報道機関の発表によると、この演習は3月以降実施されている計画的な訓練の最終段階のもので、対空砲の発射訓練や対潜訓練や機雷除去などを行うとしている。駆逐艦を除いては、フリゲートより小型のコルベットやミサイル艇、対潜哨戒艇、並びに各種支援船などが主体となっている。
この40隻とは、一時的な参加艦艇なども含めての数値と見られる。 統合幕僚監部 報道発表資料(6/10)より   このウダロイI級は1980年代に建造された旧式艦である。
ステレグシチー級フリゲート艦は、2000年以降に建造されたものでウダロイ級よりは新しく、前出の巡航ミサイル「カリブル」が8基のほか、ハープーン級の対艦ミサイルが8発搭載可能であり、小型艦ながらそれなりの対地、対艦攻撃能力がある。  
しかし、ウダロイ級もステレグシチー級も防御能力の観点からすれば、脆弱な艦艇といえる。特に、対空防御能力という点からみると、ウダロイI級は射程12km程度の対空ミサイル(SAM)「キンジャール」を装備しているが、
これでは日米両軍が保有するほとんどの空対艦ミサイル(ASM)でスタンド・オフ(SAM射程圏外からの)攻撃が可能であり、ステレグシチー級フリゲートに至ってはSAMを保有しておらず、両艦ともに対空防御能力は極めて脆弱といえる。
 これに対して、航空自衛隊の保有する対艦ミサイルの命中精度は極めて高いことが実射訓練などで実証されており、これによる攻撃を受ければ、ひとたまりもないだろう。
即ち、航空優勢を確保しない限り、これらの艦艇は対艦ミサイルの標的となるだけだということだ。  
何よりも、ロシア太平洋艦隊の旗艦であるミサイル巡洋艦「スラバ級(CG-011:11,000トン級)」は、昨年12月29日にウダロイ級駆逐艦と補給艦を伴って対馬海峡を東シナ海方面へ進出して以降、未だに帰港した形跡はない。ウクライナ侵攻に関連して欧ロ方面へ支援に向かった可能性も考えられる。
つまり、旧式艦の駆逐艦とフリゲート艦及び通常動力型攻撃潜水艦など、せいぜい20隻程度の戦闘艦艇が現在の太平洋艦隊の戦力に過ぎないというのが実態であろう。

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