7月に水泳の授業を3年ぶりに再開する仙台二高(仙台市青葉区)の複数の生徒から、再開を疑問視する声が「読者とともに 特別報道室」に寄せられた。



生徒らは男女が一緒に同じプールに入ることへの違和感を訴える。




 同校で水泳は各学年の必修授業だが、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年度に中断し、球技で代替してきた。宮城県内の感染状況が落ち着きつつあることなどを踏まえ再開を決めた。

 県内の高校で唯一、50メートルの競技用プールがあり、女子は全体の3分の1のエリアを使う。女子は更衣室、男子はプールサイドのテントで着替え、準備運動までは男女ともジャージーを着る。水着の指定はない。

 声を寄せたのは、20年度に入学した現3年生の男女3人。共通するのは「男女混合の水泳授業はおかしい」という点だ。

 女子生徒は「男子の視線が気になり、プールに一緒に入ることに嫌悪感を覚える」と強調。男子生徒も「体形などさまざまな面で、異性だけでなく同性の目も気になる。不快な思いをして授業を受けることに疑問がある」と話す。

 入学以来、コロナ対策で学校生活の楽しみを奪われてきた中で、敬遠する生徒もいる水泳授業が再開されることへの割り切れなさもあるようだ。女子生徒は「高校総体の応援練習や岩手山登山など思い出になる活動は中止し、なぜ水泳だけを再開するのか」と嘆く。

 同校は生徒の声をどう受け止めるのか。体育担当の早坂馨教諭は「3年になって水泳の授業を初めて経験することに戸惑いがあるのだろう」と指摘。3人は希望者のみか選択制の水泳授業を望むが「他校にはない貴重なプールなので使って卒業してもらいたい。最初の授業で学ぶ『溺れた時の対処法』は大切な経験になる」と理解を求める。

 他校の状況も聞いた。水泳の授業を昨年再開した仙台一高(若林区)では体育の授業は男女一緒だが、6~9月は男子が水泳、女子は球技に分かれる。斎藤英明教頭は「共学化の際、更衣室がないという理由で水泳は男子だけになった。今も男子はプールサイドで着替える」と説明する。

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