ウクライナへの侵攻から100日が経過したロシアのプーチン大統領が、国民からの質問に答える毎年恒例の
テレビ番組への出演を突如延期したことで、健康状態の悪化が懸念されていると英サン紙が報じた。
プーチン大統領の健康問題を巡っては、欧米メディアがパーキンソン病や血液のがんなど複数の病を
抱えていることを報じており、初期の認知症の可能性なども指摘されている。生放送で次々と質問に答える番組への
出演を取りやめたのは大統領に就任して権力基盤を固め始めた2000年以降、これまで2回しかないという。
米ニュースウィークリー誌は4月に進行がんの手術を受けていたと報じており、公開された映像から足の震えや
不自然な手の動きなども取りざたされる中、約70の質問に答える3~4時間の生放送に耐えられる
健康状態ではない可能性が指摘されている。影武者の登場や収録された映像を使うなど隠蔽(いんぺい)工作を
行っていることが取りざたされていることも、うわさに拍車をかけている。番組はコロナ禍の2020年を除いて
ここ5年ほどは毎年6月に放送されており、今年は18日にサンクトペテルブルク国際経済フォーラムが
終了した後に放送されることが5日前に発表されたばかりだった。プーチン大統領の広報担当によると、
新たな放送日は不明だが、今月中に行われることはないという。
また、出演を延期したもう1つの理由としては、侵攻から100日たっても目立った成果を示すことができない戦況と
3万人とも言われるロシア兵が犠牲になっていることなどをあげ、侵略への批判的な質問を受けることを
恐れている可能性もあるとサン紙は伝えている。健康問題と戦況の不調が、プーチン大統領の支配力にも
影響を及ぼしており、暗殺未遂やクーデターの可能性なども取りざたされている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202206090000170.html