事例――親友に「自分が死んだらHDDを破壊して」と頼んでいる

 3年前に神奈川県の某市でデジタル終活について講演したあと、参加者のAさんから、こんなコメントをいただいたのを覚えています。

「ま、俺は死んだらHDDを破壊するように親友に頼んでいるから大丈夫だけどね」

 AさんはIT業界に身を置く60代の男性。公私ともに親しい友人との間で何年も前から、
自宅のPCに内蔵しているHDDの破壊契約を交わしていると嬉しそうに話してくれました。
一緒に暮らしている妻はデジタル機器が不得手で子供たちも遠方にいるから、現実的にも友人に頼むのが一番とのことです。

 確かに一理あるのですが、その契約を履行するのは簡単ではありません。そのことをやんわりと伝えたのですが、
Aさんは「大丈夫、大丈夫」とあまり真剣に捉えていない様子でした。

 ちょっとした気休めとしての口約束ならまあいいかと、筆者もそれ以上は伝えませんでした。
ただ、Aさんが本気で実行を信じているなら少し認識が甘いところがあります。
今回はその理由を掘り下げてみます。

 なお、今回はHDDを例にしていますが、取り扱いの要点はSSDであっても変わりません。




「自分が死んだらHDDを破壊して」は本当に実行可能!? 頼む前に知っておくべきこと
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/tengoku/1412310.html