5月10日、警視庁の警備部災害対策課がツイッターに投稿したつぶやきが話題を呼んでいる。「小学生の娘がラジオを聴き取れない」という内容だ。

《ラジオを聴いたことがない小学生の娘と一緒に放送を聴いてみました。感想は「何を言っているのか聴きとれない」とのこと。視覚からの情報が多い現在、
耳からの情報には多少の慣れが必要なのでしょうか?ラジオは災害時の重要な情報源、家族でラジオに耳を傾けるのも防災対策の一つになるのでは…》

 このツイートに対して、SNS上ではさまざまな声が寄せられた。

《テレビもいちいちテロップが付くので、耳だけでは理解出来なくなった》

《テロップに慣れすぎている、のかもしれない》

《視覚情報のないものってダメらしい。子供らみんな電話しないもんな》

《ラジオは、訓練とまではいかないまでも、慣れないと内容が入ってこないんですよね》

 本当に「聴く力」は落ちているのか。コミュニティラジオを専門とする、北郷裕美・大正大学社会共生学部教授がこう話す。

「『聴く力』の衰えは、大学で教えていても感じます。授業で、ラジオドラマなど音だけを聴かせることがあるのです。
すると、学生が戸惑うというか、どうしていいかわからない状況に陥ってしまう。

 悪気はないと思うんですが、音だけを聴くシチュエーションが日常生活で少なくなっているから、思わず拒否反応を示してしまう。
ネットネイティブといわれる、いまちょうど20歳ぐらいの学生から、著しい変化を感じますね」

 その原因として北郷教授があげるのが、SNSでも指摘されていたテロップだ。

「YouTubeやテレビでテロップが入るのが影響していると思います。バラエティのテロップを含めて、短文じゃないですか。
書体なんかを見ても、視覚に絵のように訴えかけてくる。だから、音だけを聴くことに拒否反応を示してしまうのだと思います。

全文
https://news.yahoo.co.jp/articles/03d2c4f899fdea8d784fa61c6a2392dcb6bfe328