農家は“生活排水”を田んぼへ…「排水路から汲んででも水あげねば」用水の取水施設での大規模漏水 影響続く
2022/05/19 17:24

愛知県豊田市の川から用水をくみ上げる施設で、大規模な漏水が発生している問題で、現場では仮設のポンプを設置するなどの対応が進められていますが、大きな影響が続いています。
上流部の川底に穴があき、水が下流に流れ出したため、取水口から水を取り入れることができなくなっていて、周辺地域への工業用水などの供給に大きな影響が続いています。
現場では川に土のうを設置し、水が溜まりやすくしたうえで、工業用水をくみ上げるための仮設ポンプを19日までに42台設置しました。
19日午前に下流の安城浄水場で、仮設ポンプでくみ上げた水の取り込みが再開。仮設ポンプがうまく稼働すれば、工業用水の必要量は確保できる見通しになりましたが…。


農業用水のための仮設ポンプの設置は進んでおらず、いまも周辺の農家への水の供給は止まったままの状態が続いています。
その農業の現場を訪れると、田んぼに向けて勢いよく水が飛び出していました。田んぼに引いていたのは、家庭や農家から出た「排水」。
安城市でコメ農家を営む神谷力さん。農業用水が出ないため、本来は使わない排水でしのいでいますが、水田に必要な5センチの高さには達していないといいます。
工業用水が優先され、農業用水が供給されていないことついては…。

農家の神谷さん:
「水がいるのはお互いさまだと思うんですけど、時期的に私どもは今本当に必要な時期なものですから、少しでも分けていただけると」

https://www.tokai-tv.com/tokainews/article_20220519_18629