「新電力」撤退で企業の電力 セーフティーネット利用が急増

エネルギー価格の高騰で「新電力」と呼ばれる電力の小売事業者の撤退が相次ぐ中、関西電力の管内では、
企業がほかの新電力と契約を結べず、「最終保障供給」というセーフティーネットを利用した契約が増えています。

火力発電の燃料となるLNG=液化天然ガスなどの輸入価格の高騰を背景に、新電力の間では、
電力の調達コスト上昇のため撤退する動きが相次いでいます。
こうした中、どの新電力とも契約を結べなかった企業が
「最終保障供給」と呼ばれるセーフティーネット制度を利用する契約が急増し、関西電力管内ではことし3月末の時点で、637件になりました。
これは、ことし2月の92件と比べるとおよそ7倍、
電気料金の上昇が始まった去年9月の9件と比べるとおよそ70倍の水準で、企業向けの電力の小売りが自由化された2000年以降、最も多くなっています。
大手電力の子会社の送配電事業者が提供する「最終保障供給」のプランは、標準的な電気料金よりもおよそ2割高く設定されていて、
企業が別の電力会社を見つけるまで一時的な契約を結ぶのが一般的です。
しかし、エネルギー価格の高騰で関西電力も、
新電力を離れた企業からの契約の切り替えの受け付けを事実上停止するなど、電力の小売りが自由化された結果企業の選択肢が狭まる、異例の事態となっています。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20220509/2000060951.html