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 逮捕された幹部は外資系証券会社からの移籍組がほとんどだ。米国籍のアロン被告は2014年、ヘッドハンティングされ、UBS証券からSMBC日興証券に移籍。20年、専務執行役員エクイティ本部本部長に就任した。北海道庁に勤めた経験もあり日本語は堪能。エクイティ部の前部長の山田被告はゴールドマン・サックス証券から15年に入社。翌16年、トレーディング業務を担う部長に起用された。

「SMBC日興証券は、自己売買部門が他の大手証券と比べて弱体だった。野村、大和に後れをとっただけでなく、実績は準大手も下回った。だから、“助っ人”としてヒルや山田がやってきた。他社に追いつけ、追い越せのプレッシャーもあり、危ないことに手を染めたのではないのか」(日興の元役員)

 取引の終了間際に買い注文を出す株価操作の典型的な手口が繰り返されたとされている。株価買い支えにつながる大量注文は、不審な取引を自動抽出して警告を発するシステムで検知され、コンプライアンスを担当する「売買管理部」から山田前部長は指摘を受けていた。この事実はエクイティ部を統括する佐藤副社長にも報告されたが、不審な取引は、その後も是正されず、繰り返されてきたという。不正は合計10銘柄で行われたとされ、これらの取引で11億円の利益を得ていたとみられている。


逮捕者の大半が外資系からの転職者…SMBC日興証券、外部人材依存で不正まみれに
文=Business Journal編集部2022.05.13 06:05
https://biz-journal.jp/2022/05/post_295367.html