スウェーデンの首相が過去20年の間に同国に移住した移民の多くを統合できず、スウェーデンを「移民とそれ以外とが異なる現実に住む並行社会」の国にしてしまったと述べた。
マグダレナ・アンダーソン首相は100人以上の警察官が負傷した復活祭(4月17日)での暴動を受け組織犯罪に取り組むための一連の措置を28日の会見で発表、スウェーデンはイスラム過激主義と右翼過激主義の両方が猛威を振るう状況を作り出してしまったと認めた。
同国初の女性首相はスウェーデンは移民が全体社会と交わることのない独自の社会を形成する状況を許し、同じ国に住んでいながら人々が全く異なる現実に住む並行社会を生み出してしまったと述べ、統合の失敗および社会が受け入れるにはあまりにも多く移民を受け入れてしまった事実を認めこれまでの政策を再評価する必要があると続けた。
スウェーデンの移民の数は過去20年間で倍増、その数は約200万人で人口の5分の1を占めるまでになった。しかし移民の統合には苦戦しており、大勢の人間が未だにスウェーデン語を習得できず仕事を見つけることにも苦労している。
アンダーソン首相は「これ以上多くの子供や若者が犯罪に巻き込まれるのを防ぐことが重要である」と述べ、若者が学校から抜け出したり路上に留まらないようにするための措置を講じると共に、自治体の各サービスと警察とが緊密に協力する「青少年非行委員会」を地域に導入することを目指していると述べた。
デンマーク、スウェーデン両国の国籍を持つ政治家で極右団体「ストラム・クルス(強硬路線)」の代表であるラスムス・パルダン氏が反イスラム運動の一環としてイスラム教の聖典コーランを焼く画像をソーシャルメディアに投稿、今後もイスラム教徒の人口が多い地域で焼却を繰り返す「コーラン焼却ツアー」を実行すると宣言してからスウェーデンでは各地で暴動が発生している。

https://www.theguardian.com/world/2022/apr/28/swedens-failed-integration-creates-parallel-societies-says-pm-after-riots