「私は顔がブサイクで」…結婚を諦め買い物に依存した公務員女性の悲運 「お母さん、もう無理です」【東尋坊の現場から】

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3月上旬、小雪が舞う寒い日の午後2時ごろのことです。上信越に住む40代後半の女性が観光客の少ない東尋坊(福井県坂井市)の仲見世通りを岩場に向かって歩いて行く姿が見えました。その女性は何かを思い詰めたように震えていました。私たちは声を掛け、相談所に来てもらいました。私たちが心配していた通り、彼女は死を決意して、ここに来たのでした。

 「お母さん、もう無理です…。 ゴメンなさい…!」と遺書を残して午前5時ごろに家を出て、バスや電車に乗り換えて午後2時頃に東尋坊の岩場に着いたそうです。飛び込む場所を探し回ったのですが、荒波が岩にぶつかり波しぶきを上げる光景に恐怖を覚えました。崖から飛び込めず、帰るしかないと思ってバス停まで戻ったものの、所持金は2,000円のみ。帰る電車賃にもならないため、荒波であっても飛び込んで死ぬしかないと考え、引き返して歩いていたところで私たちから声掛けられたことを明かしました。彼女はずっと体を振るわせながら泣きじゃくっていました。

 「昼食はまだです」と言うためおろし餅を食べさせ、気持ちを落ち着かせて自殺するに至った動機を聴きました。「私は公務員で、顔がぶさいくでうつ病を患っているため結婚は諦めました。家族は実母に姉夫婦と甥の5人家族です。自分を着飾るために化粧品や衣類、何でもカードで買ってしまう癖があり、押し入れには商品が一杯。毎日家族に監視されています」と打ち明ける女性。「とうとうカードの残高がゼロになり、毎月支払っている飯代3万円も出せなくなったため、もう死んでお詫びするしかないと考えて、遺書を母親宛に残して自殺しに来ました」と言うのです。本人は、母親と姉から買い物癖について再三の注意を受けているものの、欲しい物が目に付くと我慢できなくなり買ってしまうのです。家出したことで一番怖いのは母親と姉による折檻だと言っており、家族に問い合わせたところ「自殺する恐れのある家出人」として警察に家出届けを出してあり保護して欲しいと依頼されたため、本人及び家族の承諾を得て警察に引き継ぎました。