「高校生のAV出演被害が止められない」成人年齢引き下げが招く悲劇

 4月1日から、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられた。これにより、若年女性をターゲットにしたアダルトビデオ(AV)出演強制の被害が増えると懸念する声が上がっている。なぜリスクが増すのか。性的搾取の被害者を支援する特定NPO法人「ぱっぷす」理事長、金尻カズナさんに話を聞いた。金尻さんが説明したのは、あらゆる手段で若い女性につけ込むAV関係業者の周到で執拗な手口だ。事実であれば、政府が言う「消費者教育の充実」程度では防ぐことができない。議員立法による抜本的な対策の必要性を訴えている。(共同通信=宮川さおり)

 つけ込まれるモデルへの夢

 ―引き下げの問題の前に。被害や出演強制とは具体的にどういう意味ですか。

 金尻 典型的なケースについてお話します。業者は若い女の子の夢につけ込む形で、繁華街で「モデルになりませんか」「アイドルとしてデビューさせてあげる」と、言葉巧みに近寄ります。そして別の場所に連れて行き、大勢で取り囲んで逃げられない状態にして、いろいろ言葉を並べ立て契約書へのサインを迫ります。「水着姿の撮影だから」とだまして撮影現場に連れて行き、ふたを開けてみたらグラビア撮影ということで服を脱ぐよう強要されたとか、AVの撮影だったということもあります。

 ―本人は断りたくても怖くて言い出せない状況になるのですね。

 金尻 言い出したとしても「君のために大勢の大人が動き出しているんだよ」「多額の違約金を払えるの?」と、後戻りできない状況に追い込まれるのです。そもそも18歳くらいの女の子が大人に、しかも周到に計画を練っている大人に抗するなんてできないですよ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/16515d00e2ab984e154d32b6a6f1fec79f6ad96a
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