【ワシントン=渡辺浩生】米ホワイトハウスは22日、国家安全保障会議(NSC)のキャンベル・インド太平洋調整官ら
米使節団がソロモン諸島を訪問し、ソガバレ首相と会談したと発表した。米側は公衆衛生などで支援する意向を示した上で、
同諸島が中国と締結した安全保障協力協定について地域の安全保障上の懸念を伝え、中国の軍事拠点化に発展すれば
相応の措置を講じると警告した。

使節団にはクリテンブリンク国務次官補(東アジア・太平洋担当)、スクレンカ・インド太平洋軍副司令官らも同行。
フィジー、パプアニューギニアに続く訪問先のソロモン諸島は南太平洋の地政学的要衝に位置し、2019年に台湾と
断交し中国と国交を結んだ。

以降、中国の習近平政権がインフラ投資などを通じて関与を強める。今月締結した安全保障協力協定は、ソロモン側が
中国艦艇の寄港や物資補給を認めることや治安維持のために中国の警察や軍の派遣を要請できることが記され、
軍事拠点化の思惑が明白となった。

米側は、大使館設置計画の促進、海上領域認識プログラムの立ち上げ、病院船派遣、ワクチン追加提供など
福祉向上に向けた支援措置を説明した上で、安保協力協定を議論。

米国と同盟諸国を含む地域の安全に影響を及ぼす可能性があるとし、協定の目的や範囲、透明性に懸念を表明。
中国軍の恒久的な駐留や戦力展開拠点、軍事施設設置に進めば「相応に対応する」とクギを刺した。

ソガバレ氏は、協定は国内の治安維持に適用されるもので軍事基地建設や長期的駐留の可能性を否定したという。両者は、
対話を促進し、互いの懸念事項に対処するため高官クラスの戦略対話を立ち上げることで合意した。米国が中国に対抗し
同諸島に関与する姿勢を明確にしたことで、習政権の出方が注目される。
https://www.sankei.com/article/20220423-RTVVMUPOTFMU3H7K6CUR5AVOAA/