去年10月、甲府市の住宅で50代の夫婦が殺害され住宅が放火された事件で、甲府地方検察庁は刑事処分が相当として家庭裁判所から送り返された19歳の被告を殺人などの罪で起訴しました。

起訴されたのは事件当時、定時制の高校に通っていた甲府市の遠藤裕喜被告(19)です。

起訴状などによりますと、去年10月、市内の住宅に侵入しこの家に住む会社員で夫の井上盛司さん(55)と妻の井上章惠さん(50)をナイフで刺して殺害したうえ、次女にけがを負わせ住宅に火をつけたとして殺人や放火などの罪に問われています。

警察によりますと、被告は夫婦と同居する長女と面識があり逮捕後の調べに対し「好意があったが思いどおりにならず、本人やその家族を殺害するつもりだった」などと供述していました。

先月、家庭裁判所に送られましたが「凶器を計画的に準備し証拠を隠滅するために放火した。資質や成育過程の問題が影響を及ぼした可能性もあるが反省や謝罪の態度は見られず結果は重大で、刑事処分が相当だ」として検察庁に送り返されていました。

甲府地方検察庁は、専門家による精神鑑定の結果などを踏まえ刑事責任を問えると判断して8日、起訴しました。

今月施行された改正少年法で事件当時18歳と19歳の「特定少年」が正式に起訴された場合、実名での報道が可能となり、検察は「重大な事案で地域社会に与えた影響も深刻」だとして今回氏名を公表しました。改正少年法の施行後、初めてです。

被告は今後、成人と同じように裁判員による刑事裁判を受けることになります。

(後略)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220408/k10013572781000.html