インドのサンジェイ・クマール・バルマ駐日大使が、訪問先の神戸市で産経新聞のインタビューに応じた。
先月行われた国連総会の緊急特別会合などで、ウクライナに侵攻したロシアへの非難決議案が圧倒的多数の
賛成で採択される中、インドが棄権したことについて、ロシアとウクライナの平和と対話を求めるためだった
などとし、両国の仲介に務めていることを強調した。主なやりとりは以下の通り。(聞き手 岩田智雄)

−インドの外交とはどういうものか

「非同盟を基本とする。インドはどの国とも分け隔てなく話ができる数少ない国の一つだ。ロシアとウクライナ、
そしてロシアと西側諸国と等しく話ができる。パレスチナとイスラエルに対してもそうだったし、
イラクとイランにも友好的に接した。戦略的に独立した外交政策をとってきたのだ」

―インドはなぜ国連での投票を棄権したのか

「決議案にはインドの国益が入り込めない要素があった。例えば、インドは平和と対話の実現を求めている。
ロシアとウクライナは平和的対話のためのテーブルに戻らなければならなかった。インドはそれによって
人道危機を解決しようとしている。インドはロシアが提案した国連安保理決議案も棄権した。明らかなのは、
インドはどの国の側にも立たないということだ」

―インドは戦争停止仲介のために役割を果たせるか

「最善を尽くしている。モディ首相はプーチン露大統領と3度、ウクライナのゼレンスキー大統領と2度話している。
どれだけうまくいくかは多くの他の要因次第でもある」

―岸田文雄首相がインド訪問した。両国間に課題はあるか

「ウクライナ問題に関しては日本は人道支援を重視している。インドもそうで、共有懸念であり課題だ。
世界中の他の火種も共有課題だ。パキスタン、アフガニスタン、ミャンマー、北朝鮮、中国の威圧的な
行動などすべてそうだ。課題は日印間にはないが国際的情勢の中で存在する」
https://www.sankei.com/article/20220401-FERTCMU6HJJBXNLSX5S2WV2XNY/