――一般的なハリウッド作品の有色人種の描き方にはどんな問題がありますか?

 ハリウッド作品は、基本的に「America as number one(アメリカこそ一番)」。
アメリカこそ多様でインクルーシブ(みんなを受け入れる社会)であり、それ以外の国は真逆の存在という姿勢。
だからハリウッドが描く日本はインクルーシブではないんですよ。

 それと、よくあるのは、白人が救ってくれる「White Savior(白人の救世主)」もの。
文化的に優れたアメリカ人が野蛮な日本にやってきて、その中でもまれ、結果的に日本社会にある問題を解決するというようなストーリー。
これをハリウッドはずっとやってきているんですよ。

 そういう作品では、主人公が心を開く相手は必ず英語がしゃべれるんです。アメリカやイギリスの大学を出ていたりとか。
つまりこの野蛮な国の人ではない。他の国で教育を受けた人。
基本的に、日本というのはアメリカより劣ったものであり、
そこにアメリカ人、白人のキャラクターが入っていって、その劣った社会で唯一心を通わせることができる、
英語がしゃべれたり、アメリカナイズされたりしているキャラクターとともに問題を解決していくっていう。




「この人は日本人に見えますか?」日本人俳優が暴露する、ハリウッド”多様化”のリアル
https://news.yahoo.co.jp/byline/saruwatariyuki/20220325-00287748