最先端物理学で判明
小さい時間と空間が網の目になって宇宙を作ってる

理論物理学者の注目を集めている。
宇宙の最も基本的な要素である
時空(時間と空間)が、
量子コンピューターで扱う
「量子ビット」や「量子もつれ」
と呼ばれる現象と深いつながりがある
可能性が出てきたからだ。

現在の計算機が「0」か「1」のビットという単位で情報を表すのに対し、量子コンピューターは0と1を重ね合わせた「量子ビット」を単位に計算する。一方、最先端の物理学の理論である超ひも理論の研究から、1つの量子ビットは超微小なミニ宇宙の時空であるとの見方が出てきた。

重力を扱う相対性理論と、微小世界での物質の振る舞いを説明する量子力学を統合する究極の理論の有力候補だ。

実際の宇宙は量子ビットのミニ宇宙とは比較にならないほど巨大だが、超弦理論の研究によれば、無数のミニ宇宙が網目のように結びついて、1つの巨大な宇宙の時空が形成されることになる。

ここでミニ宇宙同士を結び付ける役割を果たすのが、「量子もつれ」と呼ばれる量子力学的な現象だ。量子もつれで結びついた量子ビットはコインの表裏のような関係になり、一方の量子ビットが0であれば他方は1になる。

一方、量子コンピューターでは、量子ビット同士を量子もつれを介して結び付け、大きな数量の演算を実行する。現在、数十個の量子ビットからなる試作機の開発が進んでいる。

問題は演算を続けていると、量子もつれの一部が壊れて正しい計算ができなくなることだ。そこで量子コンピューターには、どの量子もつれが壊れたのかを検知して、計算の誤りを修正するシステムが組み込まれている。その基礎となるのが「量子誤り訂正符号」と呼ばれる理論だ。

興味深いことに量子もつれを介してミニ宇宙が結びついてできた巨大宇宙にも量子誤り訂正符号の仕組みが埋め込まれており、それによって宇宙で物理法則が安定化しているらしい、ということが明らかになってきた。宇宙の時空は量子コンピューターのようなシステムであるとの見方が出ている。

この分野は、国内では京都大学や東京大学などのグループが研究をリードしている。

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日経新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC101QH0Q1A710C2000000/