米国防総省高官は7日の記者会見で、ロシア軍が隣国ベラルーシとウクライナ国境に集結させた戦力のほぼ100%をウクライナ領内に投入したとの分析を明らかにした。同国南部で進撃を続けているものの、首都キエフなど北部や北東部ではウクライナ軍の反撃などにより目立った進展はないとしている。

高官によると、ウクライナ軍は大多数の航空戦力を維持し、制空権を巡ってロシア側と戦闘を展開。オースティン米国防長官は、北大西洋条約機構(NATO)の空域防御強化などのため、米本土からギリシャやポーランド、ルーマニア、ドイツに計約500人の米兵を増派する命令を出した。ギリシャには空中給油機を派遣する。

国防総省高官は、ウクライナ都市部でロシア軍による民間地域へのミサイルや長距離砲による攻撃が増加していると指摘。ウクライナ側の反撃で地上軍の進撃や制空権確保が難航しているためと分析した。ロシア軍が侵攻後に発射したミサイルは625発以上とした。(共同)

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