ここ最近、「ワンセグ」機能を搭載したスマートフォンがなくなりつつある。2019年に、ワンセグ携帯もNHK受信料の支払い義務が発生することが確定した。この件とワンセグ携帯の減少は関係あるのだろうか。

 ここ最近、「ワンセグ」機能を搭載したスマートフォンがなくなりつつある。

 2021年12月に掲載した記事《「スマホから消えた「ワンセグ」、2021年は搭載機種ゼロに その背景を探る」》
https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2112/02/news092.html
では、ワンセグ搭載スマートフォンが減った要因に「通信の性能向上」「動画配信の普及」「テレビ離れ」を挙げたが、読者から「NHK受信料の件が大きいのでは」という反応が特に多かった。今回は、NHK受信料とワンセグの関係に焦点を当てたい。

■ワンセグ付き携帯でもNHK受信料の支払い義務が発生する

 そもそもワンセグとは、地上波テレビ放送のデジタル化に伴い、2006年に始まった携帯電話・カーナビ向けの放送サービス。1チャンネル6Mhzの帯域幅を13個のセグメントに分割するデジタル放送に対し、そのうちの1セグメントを用いて放送するのがワンセグだ。

 基本的には携帯電話の小型アンテナで320×240ピクセル(QVGA)の低解像度を安定的に受信できるように設計されており、テレビ放送と同じ解像度の「フルセグ」が受信可能な端末も過去に販売された。

《市場には、アンテナ内蔵の端末や、オプション品「TVアンテナケーブル」が必要な端末がある》
https://image.itmedia.co.jp/mobile/articles/2202/23/l_st52693_1seg-01.jpg

 そんな中、ワンセグ機能付きの携帯電話を所有すると、NHKと受信料契約を結ばなければならないかどうか、という訴訟の上告審で、最高裁が2019年に「契約義務はないと訴えた原告側の上告をいずれも退ける」との判決を下した。

 放送法については、受信設備の設置者にNHKとの受信料契約を義務付けているが、この判決によって、ワンセグ機能が付いた携帯電話の所有者にも、月額1225円(口座・クレジットの場合)のNHK受信料を支払う義務が生じることになった。

(>2以降へ)

「ワンセグ携帯の減少」と「NHK受信料」の関係を考える
https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2202/23/news040.html
2022年02月23日 10時00分 トライアングル 田中聡 ITmedia