サウジで人気高まるバレンタインデー、でも名称はいまだ禁句?

【2月13日 AFP】バレンタインデーを目前に、サウジアラビアでも店頭が赤く染まっている。
だが、「バレンタイン」という言葉はどこにも見当たらない。

 同国では若者たちの間ではバレンタインに贈り物をするのが一般的になりつつあり、
バレンタインデー向けギフトの売り上げも急増している。店頭には赤い服や下着が並ぶ。

 首都リヤドにあるショッピングモールの販売員は、
「ショーウインドーに赤い下着を飾るよう経営陣から指示された。
ただ、『バレンタインデー』とはどこにも明記するなとのことだった」とメディアに語った。

 こうしたショーウインドーは、サウジアラビアの変化を象徴している。
極めて保守的な同国ではイスラム教の祭日と9月の建国記念日のみを祝い、
かつてはバレンタイン関連商品の販売はもちろん、
2月14日に赤い服を着ることさえもが宗教警察の厳しい取り締まり対象となっていた。

 しかし、国のイメージアップと石油に依存した経済の多角化を目指す中で、
サウジ社会には変化が起きている。

 ショーウインドーに下着が飾られることを誰もが歓迎しているわけではなく、
不快に感じる人もいるが、黒いベールから目だけをあらわにした女性は、
「私は見たくないけれど、好きな人もいる。これは人々の選択の自由だ」と話した。

 時代は変わりつつある。人口の過半数が35歳未満のサウジアラビアでは、
その名称を口にするかどうかにかかわらず国民の多くがバレンタインデーを受け入れている。

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