千葉県警は7日までに、持ち運び可能な速度違反取り締まり装置「移動式オービス」で、2021年中に5316人を摘発したと発表した。
運用台数を1台から3台に増やしたことで、前年の約5倍に増加した。県警は八街市の児童5人死傷事故を受け、新年度に同オービスをさらに7台追加し、
通学路の安全確保につなげる。県警は「違反者は多い。速度違反を抑止するため、今後も取り締まりを強化する」としている。

 県警交通指導課によると、21年は移動式オービスを使った取り締まりを県内全39署で通学路を中心に798回実施。道交法違反(速度超過)容疑で
5316人に交通切符(赤切符)と反則切符(青切符)のいずれかを交付した。

 39署のうち摘発者数が最も多かったのは、千葉市稲毛区と花見川区を管轄する千葉北署管内。29回の取り締まりで400人以上を摘発した。
同課の担当者は「各地域で実施回数に差はあるが、渋滞する国道16号の抜け道として通学路に入ってくる車が多いことが要因」と分析した。

 取り締まりは、小学生の登下校時間帯に、幹線道路の抜け道となっている通学路などで重点的に実施。速度超過が多発する夜間の幹線道路でも行った。
違反者からは「こんなところで取り締まりをやっているとは思わなかった」「これからは通学路だということを意識する」などの声が聞かれたという。

 20年は同オービスを使った取り締まりを275回実施し、摘発者数は1076人だった。20年12月に運用台数を1台から3台としたことなどで21年の摘発者数が大幅に増加した。

 県警は、昨年6月に八街市で起きた児童5人死傷事故を受け、「飲酒運転根絶」と「通学路の安全確保」を柱とする緊急対策に着手。
新年度は同オービスをさらに7台配備し、計10台を運用する。

 担当者は「1番の目的は摘発人数を増やすことではなく、速度違反を抑止すること。より多くの通学路で取り締まりを実施し、ドライバーの警戒心を高めたい」と強調した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/479c8137148256d9eba610187a044ad594c93a79