露のウクライナ侵攻「今すぐにも」 米高官 中国にも「代償」

【ワシントン=渡辺浩生】緊迫するウクライナ情勢をめぐり、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は6日、複数の米テレビのインタビューに応じ、ロシアがウクライナに軍事侵攻した際に中国がそれを支持すれば「何らかの代償を伴うことになる」と警告した。

中国の習近平国家主席とプーチン露大統領が4日に首脳会談した後に発表された共同声明では、中国が北大西洋条約機構(NATO)の拡大に反対を表明するなど、米国が主導する国際秩序に対する中露の共闘姿勢が鮮明となった。

サリバン氏は、プーチン氏が侵攻に踏み切った際に金融を含む対露経済制裁の影響を中国も直接受けるとして、習政権の対露支援を牽制(けんせい)したとみられる。

サリバン氏は、10万人超がウクライナ国境付近に展開する露軍の動向について「今すぐにでもロシアは軍事侵攻できるし、数週間後かもしれない」と危機感を示すとともに、プーチン氏には外交による緊張緩和もなお選択可能だと訴えた。

一方、6日付の米紙ワシントン・ポストは、露軍がウクライナに大規模侵攻すれば首都キエフの同国政府は2日以内に陥落し、市民に最大で5万人の死傷者が生じ、500万人の難民が流出するとの米軍・情報機関の最新の試算を報じた。同試算は米議会や欧州の同盟国などに報告された。

同紙は当局者の話として、ロシア側のウクライナ国境付近に加え同国北方のベラルーシに軍が大規模集結しキエフへの攻撃をうかがっていると指摘。南方の黒海には沿岸の水陸両用攻撃が可能な艦艇20〜30隻が確認されたという。

https://www.sankei.com/article/20220207-HJQUBYRKSFPMFFPAHTF3AU4STA/