「左翼の内輪受けドラマ」Netflix版『新聞記者』が褒められているうちは「小悪の玉突き連鎖」を止められない【連載】あたらしい意識高い系をはじめよう

東京新聞の望月衣塑子記者をモデルにした映画を動画配信サービスNetflixがリメイクした連続ドラマ、『新聞記者』が好評を得ているようです。公開後、Netflixの視聴ランキングでもずっとだいたい1位から3位程度に食い込んでいるのを見かけます。

私も公開初日に全部見たのですが、その感想はというと、(確かに俳優さんと監督さんの力量がすごくあって引き込まれる部分もなくはなかったものの)話全体の作りとしてはこの記事のタイトルにあるように、

これじゃ「左翼さんの内輪ウケ」映画にしかなってないんだよな

…という残念な思いでした。

「映画版」にあった噴飯ものの陰謀論描写(「エリート官僚が暗闇の部屋からツイッターに書き込みをして左翼を攻撃している」「獣医学部設立の目的は生物兵器だけどその隠蔽のために正義漢の官僚が自殺した」など)はカットされていたものの、全体として「モリカケ問題」を扱う上でのある非常に不誠実な姿勢がそのままに話全体を組み上げているので、結局「内輪ウケ」映画にしかなっていない。

別に「右翼さんの内輪ウケ映画」があってもいいように、「左翼さんの内輪ウケ映画」があってもいいじゃないか…というのはまさにその通りではあります。

しかし、現実世界における「日本の左派」がちゃんと役割を果たして失われつつある影響力を取り戻すには、こんな「内輪ウケ」映画を持ち上げている場合じゃないのではないか?

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