イベント用などに高額の猫を大量に仕入れたように装い、消費税約9100万円の還付を不正に受けたなどとして、東京地検特捜部は27日午前、イベント運営会社「LA・Chatte(ラ・シャット)」
(東京都中央区)の代表取締役・鄭末広容疑者(70)を消費税法違反容疑で逮捕した。架空の仕入れは200匹以上、計20億円超に上るとみられるが、鄭容疑者は任意段階の事情聴取で容疑を否認したという。
特捜部は27日午前、東京国税局と合同で関係先の捜索を開始。同社や、東京都品川区にある鄭容疑者の自宅にも同日午前10時過ぎ、数人の係官が次々と入っていった。
消費税の還付制度では、物品の仕入れ先に支払った消費税額が、売り上げに伴って受領した消費税額よりも多い場合、差額分を申告すれば税務署から還付を受けることができる。
特捜部の発表などによると、鄭容疑者は、猫を大量に購入して消費税を実際より多く支払ったように架空の仕入れを計上し、2018年1〜9月に消費税の差額分約9100万円を不正に
受け取ったほか、同年10月〜19年9月にも同様の手口で約1億100万円の消費税の還付を受けようとした疑い。
関係者によると、同社は各地の百貨店などで猫のイベントを開催。鄭容疑者は、こうしたイベントなどに用いるため、最高で1匹1000万円の猫を計約350匹、総額30億円近くで仕入れ、
それに伴う消費税額が猫のイベント収入などで受け取った消費税額を上回ったとして、税務署に還付を申告していた。
ところが、特捜部などが調べたところ、同社が所有していた猫は100匹程度にすぎず、猫1匹あたりの仕入れ値も実際は数十万円程度だったとみられるという。
鄭容疑者は任意の聴取に対し、「猫は何百匹も仕入れていたが、購入した後にほとんどが死んだ」などと説明。これに対し、特捜部などが同社の書類などから死んだと確認できた猫はわずか数匹しかいなかったという。
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