アサヒビールは6日、「アサヒスーパードライ」を1987年の発売以来、初めて大幅刷新すると発表した。容器のデザインやビールの製造工程を見直し、
特徴である「辛口」は残しながら、ホップの香りを強めて飲み応えのある味に仕上げた。2月中旬から順次リニューアル品に切り替える。

同日開いた2022年の事業方針説明会で明らかにした。麦汁を煮沸する工程の終了直前にホップを投入する「レイトホッピング」という手法を採用し、ホップの香りを引き出した。

ドライは87年発売当時珍しかった辛口を武器にブームを巻き起こし、3年で1億ケースを突破するなど国内シェア首位になった。
競争激化で近年は販売数量を減らし、21年は6082万ケースと、ピーク時の00年の3割強に落ち込んだ。

22年は感染拡大が続くものの業務用の回復が見込め、シェア拡大を目指す。販売目標は21年比16%増の7070万ケースとした。

「生ジョッキ缶」の供給体制も整える。22年の生産能力を21年比の5倍となる1290万ケースに引き上げる。「マルエフ」の愛称で知られる
「アサヒ生ビール」の販売数量も630万ケースと2.8倍にする予定だ。

同社の21年のビール系飲料の販売金額は、新型コロナウイルス禍で5387億円と20年比で4%減った。22年には21年比12%増の6020億円を目指す。

低アルコールやノンアル飲料などの「スマートドリンキング」事業では、電通デジタル(東京・港)とスマドリ株式会社を設立。
お酒を飲まない人に対するデジタルを使ったプロモーションや、データマーケティングなども担う。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC05CTI0V00C22A1000000/