■“作られた韓流”と世界を魅了する日本文化は似て非なるもの

 最近、SNSで「키시다 문 열어!(岸田ドアを開けろ!)」という投稿がしばしば目に付くようになった。

 日本では新型コロナウイルスによる感染状況がある程度落ち着き、緊急事態宣言も解除され、この2年間開催されなかったコンサートやイベントの開催が相次いで決まっていることが理由だ。日本の歌手やアニメを好きな韓国民は少なくない。

 また、ただ単に「日本が好きで、日本に行って温泉につかりたい」という投稿も多かった。近場で海外を満喫できる日本を訪問したいと考える韓国民は多い。日本と韓国を自由に往来できた2018年、韓国人の訪日数は753.9万人と中国の838.0万人に次いで2位であったのだから納得だろう。

 2021年11月29日、日本政府は変異ウイルスである「オミクロン株」が世界的に拡散していることを懸念し、岸田総理は「オミクロン株の情報がある程度、明らかになるまでの措置」として外国人の入国を原則停止すると発表した。「聞く耳しかなく、実行力がない」と批判されることが多い岸田総理だが、外国人入国禁止措置に対する動きは比較的早かった。

 措置を講じた翌日に国内で初めてオミクロン株が確認され、12月22日には大阪で初の市中感染が確認。今となっては日本居住者の誰もがオミクロン株感染のリスクを負っている。外国人入国禁止措置のお陰で感染状況が世界に比べて比較的落ち着いていることは否定できない。

 筆者は興味本位で、韓国の主要ポータルサイトであるNAVERで「日本行き」についてさらに調べてみた。そうすると、確かに日本旅行に関するブログも多く書かれている。

《コロナ前の2018年には700万人を超える韓国人が日本に観光で訪れた(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)》
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■韓国にいながら「にじもりスタジオ」で日本を楽しむ人々

 内容は
「日本旅行で行きたい先をあげてください」
「早く日本に行きたくておかしくなりそう」
「日本へ行きたくなる味(鶴橋 風月)」

などだ。

新型コロナウイルスが拡散する前に日本で撮影した写真を載せたり、その時のエピソードを書き綴ったりしてそれぞれが懐かしんでいる。

 最近、韓国で話題になっている「にじもりスタジオ」を紹介するブログもいくつか見られた。

 ここには日本風家屋や鳥居、旅館などが立ち並んでおり、着物の着付けまでしてくれるサービスもある。

猫まで用意されており、まさに“映え”を狙ったSNSで話題の観光施設だ。

日本旅行に行きたくてたまらない韓国人は、「にじもりスタジオ」で韓国にいながら日本旅行を楽しみ、自身のSNSで「日本に旅行してきた」と自慢している。

(>2以降へ)

自国文化を礼賛する韓国メディアと日本に憧れる韓国人の彼我の差
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/68306
2022.1.4 JBpress 羽田 真代