「強い」経済は共産党にとって資本主義批判という点から見れば妥協か

本田______
志位さんのおっしゃった「強い経済」という方向が、問題含みの資本主義を延命することを暫定的に主張してしまうことになるのかもしれないと思いながら、

「やさしくて強い経済」というスローガンを打ち出すとおっしゃったのは、日本共産党の資本主義に対する批判という点からみれば、相当主張を曲げていただいたのではないでしょうか。
志位_______

日本共産党は、この問題で昨年、「気候危機を打開する日本共産党の2030戦略」というのを提案しました。

この中で、2030年度までにCO2を最大60%削減しよう、それを思い切った省エネと再エネで実現しようと、かなり大胆な計画を提案しています。

それからジェンダー平等という大問題があります。
ジェンダーの問題というのは、あれこれの一分野の問題ではなくて、社会のあらゆる問題に「ジェンダーの視点」で対応しなければならないというのは、国連などでも当たり前の大原則になっているわけです。

たとえば、本田さんの著書でも指摘されていますが、男女の賃金格差の問題です。
昨年の総選挙でもずいぶん訴えたことですが、日本の男女の賃金格差は、生涯賃金で1億円にもなる。
そこには働く女性の約58%が非正規雇用という問題があります。それから、多くの女性が「一般職」にしかなれないという問題があります。
そして、ケア労働の主な担い手が女性になっていますがその賃金が低いという問題もあります。
これは一つの事例ですが、ジェンダー平等の社会をつくることが、本当の意味での日本の社会や経済の活力を取り戻すことにもなる。
全部がつながっていると思うのです。

新春対談
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2022-01-01/2022010101_01_0.html