昇進を控えた40代の公務員Aさんは、先月小学生の息子のクラスメートが新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)で陽性診断を受けたが、検査を受けなかった。検査を受けて感染が判明して隔離される場合、昇進で不利益を受けるのではないか怖いというのが理由だ。

Aさんは「疫学調査が遅れて保健所や学校から特別なお知らせはなかった。また家族全員、症状がなかった」とし「どうせ無症状なら治療方法も特にないし、検査をして『感染』が判明したら事務室が閉鎖されて私だけ逆賊扱いされる。だから昇進が目前に迫っている会社員の間ではこうするしかない」と話した。あわせて「意味のない感染者探しはやめてほしい」と付け加えた。

韓国政府の新型コロナ防疫政策に伴う私的制裁に対する恐怖心が高まっている。市民は私的制裁に伴う被害を受けるのではないかと戦々恐々としている雰囲気だ。

来年1月に入社を控えたキム・ミソンさん(29)は「政府の方針や政策が明確ではないため、感染して理由もなく入社が先延ばしになったり取り消されたりするのではないかと思って気を付けている」とし「年末ではあるが外出はせずにできるだけ家にいるようにしている」と話した。先週に3次ブースターショットを打ったという会社員のチャンさん(27)は「ワクチン未接種者の同僚がますます疎外されて会社の業務にも支障が出ているところを見て、3次を打っておかなければ私もいつどこで排除されるか分からないので悩んだ末に打った」とし「今はコロナよりもこのような制裁のほうがもっと怖い」と話した。

このような恐怖心が拡大する中で、一部の医療スタッフは政府の防疫政策とは相反する意見を出している。明知(ミョンジ)病院応急医学科専門医のソ・ジュヒョン氏が明知病院関係者宛てに書いた手紙が24日、ネット上で話題になった。この手紙の中で、ソ氏は「私が病院全体の家族(=同僚)に何か許諾を受けないで話をする位置の人間ではないが、これ以上黙っていてはいけない危機状況だと思うので申し上げる」とし「皆さんが新型コロナに感染する理由は『検査を受けたため』」と主張した。続けて「コロナを終わらせる方法は、いや終わらせることはできなくても、病院から自宅隔離されず感染しない方法は検査を受けないことだけ」と書いた。


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