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ラーム・エマニュエル前シカゴ市長が米駐日大使に就任することが決まった。
オバマ政権では米ホワイトハウスの司令塔である大統領首席補佐官を務めるなど、
米政界の実力者だ。バイデン米大統領との太いパイプが期待できる一方、
防衛費増など米側の対日圧力が強まる可能性もある。
https://www.asahi.com/articles/ASPDL6WRJPDLUHBI00Q.html
エマニュエル前シカゴ市長、米駐日大使に就任へ オバマ政権で要職

エマニュエル氏はシカゴ出身のユダヤ系米国人。1992年米大統領選で、
民主党のクリントン陣営の財務担当者として頭角を現し、政権入り。
2009年に同じシカゴを地盤とするオバマ氏が大統領になると、大統領首席補佐官に登用され、
最側近として辣腕(らつわん)をふるった。当時は攻撃的な政治スタイルから「ランボー」との異名をとった。

一方、短気でけんか早いエマニュエルの駐日大使起用は意外感もあるが、
政治家としてのキャリアを考えれば資格は十分にある。大統領首席補佐官、
下院議員(ユダヤ人初の下院議長の有力候補だった)、そしてアメリカ第2の都市シカゴの市長を2期という経歴は、
副大統領経験者や元大統領の娘といった「大物」が務めてきたポストにふさわしい。

ただし注目すべきなのは過去の肩書ではなく、この人物の個性だ。エマニュエルは10代の頃、
レストランで働いているときに指を切ってしまった。だが、病院に行く代わりにミシガン湖で泳ぎ、
ひどい感染症になって危うく命を落としかけた。このときは40度以上の
高熱を出しながらも何とか生き延びたが、指の一部を失ってしまった。
「ランボー」のニックネームを持つエマニュエルの性格を最もよく表しているのは、
クリントン大統領が選挙で勝利したときの晩餐会でのエピソードだ。
その場に居合わせた関係者の話によると、エマニュエルはクリントンの「敵たち」の名前を1人ずつ大声で叫び、
そのたびにステーキナイフをテーブルに突き刺したという。

駐日大使となったエマニュエルは、日本の当局者を怒らせるだろう。だが同時に、
中国に毅然とした態度で臨むよう日本を強力に後押しするはずだ。
彼は最近出版した本の中で、これからの世界は国家ではなく、
イノベーション(革新)の主役である都市が引っ張ると主張している。
https://www.newsweekjapan.jp/sam/2021/12/post-78_2.php