日本企業は「資金を投資に回さず、成長機会逃した」…日本株離れする海外マネー

 コロナ禍以降、世界的な金融緩和で株式市場に投資マネーがあふれる中、日本企業の株価回復が遅れている。世界的な株価指数から日本株を除外する流れが加速しており、このままでは企業の資金調達に影響しかねない。
海外企業に比べて少ないと指摘される成長への投資を増やし、マネーを呼び込んでさらなる成長を目指す戦略が問われている。

 米金融サービス大手「MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)」は11月、世界の投資家が運用の指標としている株価指数の選定銘柄を見直した。日本勢は15社が除外され、ヤマダホールディングスやカシオ計算機、日本ハムなど著名企業が含まれる。新たな採用はベネフィット・ワンとオープンハウスの2社だけだった。

 リスト除外の背景にあるのは、日本企業の業績回復の遅れに伴う株価の低迷だ。MSCI指数は株式の時価総額などで銘柄を選定しているとされる。米国を中心に海外市場は緩和マネー流入による相場上昇で時価総額を増やす一方、日経平均株価(225種)は見劣りする。

 米国株は、「GAFA」に代表されるように、デジタル化などへの積極投資で成長し、投資家は競って買いを進めた。一方の日本企業は「ため込んだ資金を投資に回さず、成長機会を逃してきたことで稼ぐ力の差が株価に表れている」(アナリスト)と指摘される。

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20211208-OYT1T50335/